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  • Michiko Akao

横笛との歩み

Updated: Jun 26, 2021


リンカーンセンターでの公演時のプログラム(1972年2月1日)



1972年、私は小野雅楽会の一員となって、石井眞木作曲『遭遇II』の龍笛奏者として、この作品のアメリカ初演に参加しました。アメリカで遭遇したのは、小沢征爾指揮、サンフランシスコ、フィラデルフィア管弦楽団でした。石井眞木氏と小野雅楽会の皆さんは、学生であった私に大舞台を与え、現代音楽の横笛奏者としての道を開いて下さいました。


『子午線の祀り』は、木下順二作、山本安英の会により上演された、四時間をこえる、平家物語を題材にした壮大な作品です。1979年、第一次上演にあたり、私は作曲家武満徹氏と共に、顔合わせの場に同席させて頂きました。木下順二さん、山本安英さん、宇野重吉さん、滝沢修さん、嵐圭史さん、観世栄夫さん、野村万作さんほか、錚々たる方々が緊張の面持ちで集まっていらっしゃいました。



私の横笛演奏は、石井眞木さんとの「遭遇」に始まり、武満徹さんの「子午線の祀り」へ。そして木下順二さん山本安英さんの「夕鶴」で音楽を担当され、その後オペラ「夕鶴」を作曲された團伊玖磨さんの「交響曲第六番HIROSHIMA」へと導かれます。



静岡新聞 1995年1月15日



私の笛の道を更に大きく決定づけたのは、義経の笛と言われる、「薄墨の笛」との出会いです。静岡市清水「鉄舟寺」の寺宝である、この笛を託されたことにより、西洋クラシック音楽を経て、現代という立ち位置からのみ、古来の笛に臨んでいた私に、平家物語からの笛が飛び込んできたのです。










Photo Credit: KINO Seido



2000年には、ツトム・ヤマシタ氏と出会い、15年余にわたり大徳寺を中心に禅の音を探り、笛演奏の哲理を確立することができました。「子午線の祀り」にあるように、あらがうことの出来ない大きな潮流のなかで、ひとり笛を吹いてきました。戦後、失われた日本の心を取り戻そうと創作を続けた方々から託された思いを、新たな困難な時代に直面している人々へ伝え、古来、神々と語り合い人々の心を支えてきた、この横笛が未来に伝わるよう、心を籠めて祈り、演奏を続けていきたいと思います。







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