私は小さい頃から歌が好きで、ピアノで弾いたりしていました。仕事として音楽を選んでからは、色々と封印してきましたが、旧奏楽堂での演奏会の為に、瀧廉太郎、山田耕筰、團伊玖磨作曲の歌を見てみると、今日まで大切に歌い継がれていて、「凄いことだなあ」とつくづく思います。笛を吹くのもままならない時ですが、演奏会に足を運んで下さるとハガキを送って下さった方には、本当に感謝しかありません。
團伊玖磨作曲「ぞうさん」の作詩は、まど・みちおさん。こんな詩を見つけました。
「空気」1975年
ぼくの 胸の中に
いま入ってきたのは
いままで ママの胸の中にいた空気
そしてぼくが いま吐いた空気は
もう パパの胸の中に 入っていく
同じ家に 住んでおれば
いや 同じ国に住んでおれば
いやいや 同じ地球に住んでおれば
いつかは
同じ空気が 入れかわるのだ
ありとあらゆる 生き物の胸の中を
きのう 庭のアリの胸の中にいた空気が
いま 妹の胸の中に 入っていく
空気はびっくりぎょうてんしているか?
なんの 同じ空気が ついこの間は
南氷洋の
クジラの胸の中に いたのだ
五月
ぼくの心が いま
すきとおりそうに 清々しいのは
見わたす青葉たちの 吐く空気が
ぼくらに入り
ぼくらを内側から
緑にそめあげてくれているのだ
一つの体を めぐる
血の せせらぎのように
胸から 胸へ
一つの地球をめぐる 空気のせせらぎ!
それは うたっているのか
忘れないで 忘れないで・・・と
全ての生き物が兄弟であることを・・・と
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