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  • Michiko Akao

組曲「般若波羅蜜多」組曲「竹の園生」

Updated: Aug 10



私は、東芝EMIから3枚のレコードを出して頂いた。いわゆるメジャーデビューというのだろうか。でも当時の私は、横笛も自分自身も模索中で、レパートリーもなかった。スタジオで試行錯誤を続けながら1枚目を出して、色々と宣伝をして頂いた。売れないといけないので2枚目は流行りのフュージョン。仕事もジャンルにこだわらず可能な限り全て引き受けることに決めていた。次を探している時、日野原ディレクターからNHKスペシャル「冬高野山」への出演依頼があった。高野山で笛を吹かせて下さるという。1983年、翌年は弘法大師空海1150年御遠忌で国宝がNHKに公開されるという。音楽は誰に頼みましょうかと言われたので迷わず三枝成彰さんのお名前を出した。お話は梅原猛先生でとお願いし、冬の高野山に行った。ボコーダーの般若心経は驚きだった。番組を見た東芝のディレクターも気に入って次のレコードにして下さることになった。三枝さんにはさらにお願いして、三種の笛の独奏組曲「竹の園生」を作曲して頂いた。高野山に行って空海に出会い、芸術の真髄を見たと思った。私が笛を吹くことは行なのだと自覚し、この形で笛を吹くことがぴったりだと思った。三枝さんはとても素敵な方だが、私には難行苦行、荒行をしている修行僧のように見えた。音符を経のように、自らの手で厳しくひたすら書き、作曲していらした。宮本武蔵、稲妻、野宮、UTA II など作品を頂いた。コンチェルトもお願いしたかったが、石井眞木さん、團伊玖磨さんが新曲を与えて下さった。その後、三枝さんはオペラの作曲へまっしぐらに向かっていかれた。三枝さんには、心から感謝している。コンチェルトも含め、この厳しい修行の手から作られた笛の技法は、次に続く全ての曲の源となっているから。





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