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  • Writer's pictureMichiko Akao

孤明

Updated: Jan 31, 2022


私は小さい頃から歌が好きで、ピアノで弾いたりしていました。仕事として音楽を選んでからは、色々と封印してきましたが、旧奏楽堂での演奏会の為に、瀧廉太郎、山田耕筰、團伊玖磨作曲の歌を見てみると、今日まで大切に歌い継がれていて、「凄いことだなあ」とつくづく思います。笛を吹くのもままならない時ですが、演奏会に足を運んで下さるとハガキを送って下さった方には、本当に感謝しかありません。

團伊玖磨作曲「ぞうさん」の作詩は、まど・みちおさん。こんな詩を見つけました。


「空気」1975年


ぼくの 胸の中に

いま入ってきたのは

いままで ママの胸の中にいた空気

そしてぼくが いま吐いた空気は 

もう パパの胸の中に 入っていく


同じ家に 住んでおれば 

いや 同じ国に住んでおれば

いやいや 同じ地球に住んでおれば 

いつかは

同じ空気が 入れかわるのだ

ありとあらゆる 生き物の胸の中を


きのう 庭のアリの胸の中にいた空気が

いま 妹の胸の中に 入っていく

空気はびっくりぎょうてんしているか?


なんの 同じ空気が ついこの間は

南氷洋の

クジラの胸の中に いたのだ


五月

ぼくの心が いま

すきとおりそうに 清々しいのは

見わたす青葉たちの 吐く空気が

ぼくらに入り

ぼくらを内側から

緑にそめあげてくれているのだ


一つの体を めぐる

血の せせらぎのように

胸から 胸へ

一つの地球をめぐる 空気のせせらぎ!

それは うたっているのか

忘れないで 忘れないで・・・と

全ての生き物が兄弟であることを・・・と









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