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舞働II Maibataraki II

  • Writer: Michiko Akao
    Michiko Akao
  • Dec 23, 2025
  • 3 min read

Updated: Dec 30, 2025

私がLAに住んでいた頃、湯浅氏はサンディエゴにいらして、この曲の完成後、演奏を聴いて頂く為にお宅に伺ったことがある。高速で二時間ほどの距離。ご兄弟に能をなさる方があり、能管の為に作曲することを喜んで下さっていた。聴いて頂いた時には、二つの笛で吹いているような面白さがあると言って下さった。その後アルトフルート用に書き換えられて出版され、フルートのレパートリーとなっているようだ。五線譜で書かれたものを能管で再現することは困難で、能管を使う意図がどこにあるのかということを考えながら演奏をしていくことになる。言ってしまえば、他の笛も同じで、五線譜の中にある笛の音をどのように形にしていくかが、大きな問題となる。音程を整えた能管を作ってしまう、能管風に他の笛を吹いてしまうということも考えられるが、それでは元も子もない。能管が能の世界で使われるときには、吹き手によって様々な工夫があり、それが謡、鼓、大鼓、太鼓と調和して能を作り上げている。旋律ではないと言いながら、やはり微妙な揺れなど、繰り返される音型の中で流れを作り出す。

今回は、五線譜に書かれている曲の面白さの上に、その通りには吹けない私の能管をそのまま乗せてみた。


舞働II 

能管は、楽器としてはプリミティブではあるが、能楽の中で洗練されてきた歴史を持っている。私は、楽器に内包される本質的な性格をできるだけいかして作曲することが、私の日本人としての自覚に基づく、伝統を広げていくことだと思った。私は、伝統とは、現象の末端にある具体的なもの、例えば、音階などにあるというよりは、それを生み出す思考の構造にこそ存在すると思っている。しかしそれは楽器特有の音のジェスチュア等を軽視することではなく、むしろ洋楽のように和声構造をもたない故に、そうした細かいジェスチュアが装飾的な意味でなく、本質的な音楽的インフォメーションを根幹として担っていると思っている。その意味で、この曲のジェスチュラルな音、また時間の構造に私の伝統を広げるものをしるした 。        

湯浅譲二

委嘱初演1987年3月11日ロサンジェルス

1988年アルト・フルートのために書き改められ、ショットジャパンより出版



CD「横笛赤尾三千子の世界 翁」

この翁の面に長い間憧れていた。風そよぐ奈良の大地に、こんな面を彫る人がいて翁の舞が伝わっていたのかと思うと、高雅な香りと共に素朴な祈りの姿が目に浮かぶ。

古雅の翁に尊敬と憧れを持って。

七夕の日に、築地本願寺ブディストホールで収録。録音、編集は小島幸雄さん。音楽専用ホールではないが、息がそのまま聞こえることを優先した。CD-R





 
 
 

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